JR東海道新幹線三島駅北口から徒歩1分の地中8m下に存在する『三島風穴』を作った三島溶岩流(みしまようがんりゅう)が富士山の伏流水を三島の『わきみず』の基本である。
水を通し易い三島溶岩流を芯として周りに水を通し難い層の中を、富士山の南西麓・愛鷹山の西麓・御殿場市・裾野市に降った雨水が地中に浸み込み、約14,000年前に富士山噴火により形成された三島溶岩流の中を富士山頂を起点として30km以上流れ下り、三島溶岩流の終点地である三島市街に『わきみず』として出現するのである。
その代表とされるのは三島楽寿園の小浜池(こはまがいけ)・菰池公園(こもいけこうえん)・白滝公園(しらたきこうえん)・浅間神社の池・鏡池(かがみがいけ)などが富士山系湧水である。
隣町の清水町にある全国的に有名な柿田川湧水公園に至る三島市街にも湧水は散在しており、例えば雷井戸・清住公園・水の苑などにも『わきみず』が確認され、これらは全て富士山系湧水とされている。
一方、三島市には函根山系湧水も存在している。三島市の東部に広がる箱根西麓には無名の湧水が散在している模様で、28,000年前から旧石器人や縄文人が生活の根源・飲み水場と利用していたことが推定されている。地元の地理に明るい人のみが知り得る無名の湧水は数多く存在する確率は高いものと考えられるが、箱根山の裾野の民家に近くにあり名前の少し知られる湧水と言えば、小沢の湧水、瀧川神社、竹倉周辺の湧水が知られている。
湧水量は、推定富士山系湧水量70%、函根水系湧水量30%と見られている。三島市の水道は清水町の富士山系湧水の駿豆水道と裾野市川島田の富士山系水源・伊豆島田水源から確保され、全て地下水を水源とし、水質はまろやかな軟水で、ミネラル分を表す蒸発残留物が適度に含まれ、水温も最適とされる16度前後、pH値も中性の7.0前後、水の味を損なう有機物の量も非常に少なく、厚生労働省の基準を十分に満たしている安全でおいしい水である。
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