私が、この滝に興味を引く訳がある。この滝の北方180mにある養徳寺には縄文時代後期の「石棒」が保存され、縄文人の棲家があった確率が高いことに起因する。つまり、縄文人の飲み水場だったと直感できるのだ。古今東西、生物はことごとく水が無ければ生きて行けない。箱根西麓の湧水ポイントは、やたら多くは無い。しかも、小高い岩穴から年中湧き出すポイントは非常に貴重な存在とされ、人以外の野生動物侵入阻止のし易い地形だったことが推察できるのである。
箱根西麓の湧水ポイントは数多く確認されているが、岩穴の奥から湧き出す不動堂の不動滝は特異なジオサイトと評され神秘性を感じさせてくれる。縄文人の生活の場だったと想像を膨らませて不動滝を散策される場合は、北方約180mにある養徳寺の石棒や天地神社の大楠も是非訪ねることをお奨めしたい。
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