函南の滝マップ |
より大きな地図で 函南の滝マップ を表示
|
函南の滝
|
函南の滝は、落差・滝幅・水量などスケールから全国の滝と現代風の見方で比較すると、評価は低く知名度も低いことは否めない。しかし、函南町の滝は大自然の中にあり俗化されていない点を忘れては困る。
箱根西麓の伏流水を水源とし水質も良好である。加えて、箱根三所権現の創設者・万巻上人が率いる箱根修験者達の滝行の場となった函南の滝は神奈備の世界でもある。
日本画は余白と空間を大切にして来た。滝を描く場合、岩を先ず描き滝の流れを感じさせるが極意とされている。日本人の本来の心情として滝を鑑賞する場合、単にスケールだけを評価するにとどまらず、その滝の周囲の自然環境がどうであるかを重要視する。くだいて言うならば、大きな滝ではあっても周囲にマンションなどの大きな建物が目に入ってしまうようになったら、誰も滝を見に足を運ばなくなってしまうだろう。
函南の滝の多くは「不動滝」と称されている。地名を頭に付け弁別している。不動明王と滝は古来より切っても切れない関係にあるようだ。動かざるものと絶えず落下して動き続ける滝との一見相矛盾する組み合わせは、どこから生まれたのであろうか。静と動の対比を古の人はどう捉えたか。百歳足らずで死ぬ宿命を持つ人間は動の世界で変化する。一方、千年単位で流れ落ち続ける滝は不動の世界で静と観ずる宗教観。
平井の不動滝は竹の樋を使ったユニークな滝だ。人為的な滝と見る人もあるかも知れないが、岩屋の奥から絶えず湧き出す伏流水は稀有な不動の世界そのものであり、古来より「不動滝」と読んで来た。
竹の樋を使い下の壺に落下させ滝と為す。その根源は箱根山火山から流れ下った大岩で形成された岩屋の奥から湧く伏流水なのである。恐らく短期間で朽ち果てるであろう竹の樋を通して滝を演出している。
先日、馬坂の「お鶴ヶ盤石の滝」の下見をしようと現地へ足をのばした。孟宗竹と杉が混在し荒れ放題であった馬坂の来光川支流の一帯は孟宗竹が伐採され、まだ完ぺきに整備されたとは言えないものの、あちこちに転がる大岩も視認できるまで視野が広まっていた。町役場提供の写真を手掛かりに来光川支流を探索したが、驚くことに落差3m程度の滝は数多く存在しているのである。河津七滝ほどのスケールにはほど遠いが、ミニチュア版の滝が五基ほど確認された。まだ上流には行っていないで分らないが、小滝の数が増える可能性は高い。
伊豆ジオパークが発足し、巨岩観察や滝を見学したいと望んでいる人が増えるに違いない。まだ、来光川支流沿いに遊歩道は形成されておらず、小中学生やご婦人方などの「お鶴ヶ盤石の滝」の見学は安全上お奨めできないが、函南町北方にある山中城岱崎砦・原生の森公園・木立キャンプ場・観音の滝とかんなみ仏の里美術館との中間点に立地する「お鶴ヶ盤石の滝」周辺をジオサイトとして来光川支流の遊歩道整備を進めていただきたいものである。
|
|
馬坂・お鶴ヶ盤石の滝・・・函南町関連機関の写真
近々日中に写真撮影予定 |
2013/4/4 下見しようと現地を訪問したところ来光川の支流である渓谷を滝音を頼りに川淵を散策した。
そこで目にした光景は右の写真のような巨石により川が堰き止められた小滝が五基ほど多段の滝として集中して確認された。
時間の都合と安全上不安があったため更に上流部まで散策することは出来なかったものの、もっと滝の数は増える可能性は残されている。仮に孤立の滝では無く、多段の滝と見做されるならば、高低差・総延長はかなりのものになるに違いない。
かなり荒れ果てた孟宗竹は伐採されたとは言え、川の淵を歩くには倒竹や倒木が散乱し石も滑るので登山靴・ヘルメット・命綱などの装備が必要と思われ、出来得るならば馬坂エリアに精通する地元案内人も欲しいところである。
右の写真から滝の落差は人の身長丈位の高さと推察されるが私の目視した限りだけでも、もっと落差のありそうな滝が複数個あり、興味が湧くエリアである。 |
|
|
桑原・観音滝 2013/4/4撮影
|
|
|
|
|
|
田代の不動滝 2013/4/4撮影
|
|
平井の不動滝 2013/4/4撮影 |
|
↓参道口のしだれ桜 |
↓不動堂への石段 |
|
|
↓不動堂 |
↓不動堂右手奥の洞窟・・・奥から竹の樋を水が流れ出る |
|
|
↓滝下右手の石仏 |
↓滝壺を上から撮影 |
|
|
|
|
|
|
|
|
冷川の不動滝 2013/3/23撮影
|
|
神仏混淆だった昔、修験者の修行の場所だった高源寺に向かう途中にある不動滝がある。不動明王が祀られ、滝行が行われていた厳粛な神域だったと観るのも良し、ジオサイトとして観察するも良し。
神奈備の滝である。
|
|
|
|
|
|