厨子に納められたマリア観音像全体
(像の高さ17cm、幅15.5cm、奥行13cm)
キリスト教は江戸時代の徳川幕府の禁教方針や鎖国政策により、その信者は過酷な弾圧を受け首切りなどの刑に処せられました。
こうした迫害を受けながらも、密かにキリスト教を信仰し続けた人々は隠れ切支丹と呼ばれ、聖母マリアやマリア観音像を崇拝していました。
この像は漆喰で作られ、マリアの冠の中にはクルス(十字架)がつけられています。
隠れ切支丹たちが子育て観音と偽り、命がけで守ってきた歴史的背景をもつもので、全国的にも現存する例は殆どないとても貴重な像です。 |
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雌雄一対の鹿ともみじが杉戸2枚に描かれています。
構図や色彩、筆勢などから琳派の系統の絵師による、十七世紀末から十八世紀頃の作品と推定されています。
琳派とは桃山時代から江戸時代初期に活躍した本阿弥光悦、俵屋宗達や江戸時代中期の尾形光琳などに代表される装飾芸術派で、作風は平安の王朝文化復興を目指したとされ、平安時代の大和絵の技法や題材を取り入れたものです。
右に雌、左に雄を配しもみじの朱は色鮮やかに残っています。 |
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