「かんなみ仏の里美術館」から来光川を渡った西に約1kmに位置する長源寺の裏山に霊場がある。桑原三十三所観音霊場の巡拝路が整備され歩き易くなり、今までは荒れ放題で訪れる人は稀であった観音群もようやく日の目を見ようとしている。
桑原・長源寺境内には約200年前(文化三年・西暦1806年)に開かれた「桑原三十三所観音霊場」(写し霊場)があります。第一番札所那智山青岸渡寺〜第三十三番谷汲山華厳寺の本尊石仏の外に、山頂部には石仏としては珍しい「善光寺如来」・伊豆七不思議の一つを刻んだ「手石如来」を拝することができます。
この霊場を一巡すれば実際に西国三十三所観音霊場を巡拝したと同じ功徳が得られるということで老若男女の多く訪れるところでした。明治の廃仏毀釈の影響を受け、せめて観音様が壊されぬよう裏山に入れぬようにと住職の深慮もあってか荒れ放題に放置しておいたお蔭で多くの石仏が残されたと見られる。
桑原は桑原薬師堂の仏像24躰だけでは無く、観音三十三躰(石仏)その他珍しい石仏も残したことになる。実に「仏の里」と称されるに相応しい土地柄と言えよう。路傍の名も無い石仏や道祖神や石塔など精査するならば、まだまだ残された民俗歴史文化財が出てきても不思議でないような気がしてくる。
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