中里橫穴群

三島里山倶楽部

TOPへ	間近なイベント	清掃プロジェクト	竹林整備	小沢川下流	里山の生物	ボランティア
三島風穴	三島・富士山	三島の滝	三島七石	三島八小路	搗屋のみち	昔の鎧坂
カワセミ	間眠神社	浅間・芝岡神社	源頼朝マップ	函南マップ	ハザードマップ	駐車場マップ
編集室	資料館だより	検索順位	外部リンク	わきみず	壱町田の神	愛染院跡
「知っ得」情報	神津島と海の道		縄文時代の舟を考える		三嶋大社・神池の水源
巨樹・名木	万巻上人が愛した函南桑原		巨樹のある神社・仏閣		菰池公園と鴨の親子

函南見どころマップ目次

仏の里美術館

桑原薬師堂

桑原熊野神社

新光寺跡遺石

桑原白山神社

桑原観音霊場

神原の七観音

十国峠

箱根旧街道

山中城址

函南原生林

原生の森公園

木立キャンプ場

観音滝

月光天文台

高源寺

函南の滝

長源寺

八巻橋双体道祖神

春日神社大楠

八重窪橫穴群

丹那断層公園

オラッチェ

畑の双体道祖神

新山の双体道祖神

畑の道祖神

皇産霊神社

玄岳と氷ヶ池

雷電神社

法伝寺跡

田代の双体道祖神

軽井沢の双体道祖神

軽井沢駒形堂

火雷神社

北条宗時の墓

柏谷公園

厳島神社

六萬部寺

天降神社

初姫神社

天地神社大楠

湯～トピア

柏谷橫穴群

中里の橫穴群

日守山公園

肥田神社

肥田・賽の神

香徳寺石仏

満宮神社

清水寺観音像

間宮・賽の神

興聖寺

妙高寺

不動明王

函南巨樹名木

畑毛の磨崖仏

養徳寺

三十三所観音霊場

源頼朝マップ

運動公園

中央公民館

さくらマップ

町営駐車場

函南町・広域避難場所

中里橫穴群

より大きな地図で函南見どころマップを表示

中里橫穴群は標高約180mの大嵐山(日向山)と標高約110mの山に挟まれた東奥に位置し、民家(杉山家)裏の段々畑の上(標高40～50m)の小高い西南に向く岩壁(江ノ浦白色凝灰岩)に横方向に掘られている。

杉山家の奥様の許可をいただき裏庭の北斜面の階段を登ると、直ぐに説明板が立てられ一つの橫穴が存在し、その上の二段になった畑の上に5基の橫穴群が確認された。

どれも奥行1.0m～1.5m位の橫穴であるが、土手では無く岩壁を掘削した橫穴であり、最西端の橫穴は内部が崩壊して埋もれていた。

奥様の話によれば、「昔になるが函南町の調査の方々が見えられ、文化遺産云々と綺麗に清掃された時期もありましたが、その後音沙汰が無くなり、今ある橫穴群の上(山頂付近の東南面)に深く掘られた橫穴も有りましたが、今は雑木に覆われ行くことさえできなくなりました」と聴取された。

古墳マニアで無い限り、中里橫穴群を知る人は少ないだろう。Web検索しても詳しい資料は出てこない。函南町の図書館でも同様に、これまでの精査資料は積極的に出版される様子は窺えない。

これまで分っているのは、現在までに３群51基が確認され、最大かつ中心的な横穴群であり、中には幅３～４ｍ、玄室２つをもち全長が8ｍを超える巨大なものもある。横穴群の形成は７世紀前半から始まっている。
狩野川左岸の北江間横穴群と狩野川右岸の柏谷橫穴群を中心とした地域の橫穴群の一つで、函南町西南部と伊豆の国市北部一帯が一つの文化圏だったことが垣間見られるだけである。

神津島と海の道を編集した私は、3万年前から歴史を逆視する癖がある。石器時代から縄文時代にかけて伊豆の田方平野での天変地異と言えば、縄文海退であろう。大昔海であったところが大地となり、かつて海上にあった沼津アルプスや函南の台地から平坦な田方平野に人々が足を踏み込む大変革があった。

沼津地区は愛鷹山南東山麓の旧石器から縄文時代の遺跡と卑弥呼と同時代の東熊堂の熊野神社境内の前方後円墳と香貫山北側の玉造部落がある。三島地区も箱根西麓一帯に石器時代から縄文時代にかけて祖先の母体を有し、向山古墳群を有しており、縄文海退により徐々にではあるが田方平野へ降りて行く図柄が連想できる。一方、函南町・伊豆の国市の橫穴群の存在である。近隣市町村には存在しない(宅地造成などにより破壊され現存しない)ユニークな文化はどこから来たものか?そこが知りたいのである。

ただし、人の頭は大変革について行けない。いつまた海となるか分らない所に祖先の墓を埋葬する訳にはいかない。6～7世紀初頭に橫穴群が形成されるようになったが、その位置はかつての海辺、喫水線の上に設けられたと推察される。つまり、平野の山辺ではなく、かつての海岸沿いの壁面に横穴が掘られたと見られるのである。概ね標高40m以上に橫穴群が存在する。

では、どのような一族が橫穴群を造ったかである。まだ日本史学会からの明確な回答が無いが、近隣神社・肥田神社に伝承される人物名称は「ひた王子」のみである。また、その母は皇后の宮「きさきの宮」は沼津式内：長濱神社の勧請社とされ、長浜御前＝伊豆諸島神津島にいます伊豆三嶋大神の本后・阿波命を祀った社だった。

これらの一族が時代的ギャップもあり直接・中里橫穴群に結び付くか否かは闇の中だが、いずれにしても伊豆神祇史的に見て重要な空間と思えるのである。田方地方史を紐解くのは、伊豆の国市か田方郡函南町の出身者であって欲しい気がしている。

一般的に橫穴のイメージは、原始的風習と捉えられ易いが、北条政子の墓に代表される如く鎌倉時代に入っても高い位にあった墓は岩を掘削した中に埋葬されており、何千年も耐え得る岩盤掘削した墓は、当時として手厚い弔いの儀式であり、位の高い一族の墓だったに違いない。

左端の岩窟の中に北条政子の墓が祀られている

現在、残念ながら山頂付近の巨大橫穴には雑木雑草に覆われ、人が踏み込めない状況にあり、考古学的調査がなされておらず、貴重な遺跡は眠ったままにある。

それにしても解せないのは、他の橫穴群とは明らかに様相をことなる山頂付近の巨大な橫穴を、どうして中途半端に調査を中断してしまったかである。この地帯一帯の大王の墓とも思えるものを、どのような経緯と理由で中断したのか、調査担当者は少なくとも説明責任がある。最大かつ中心的古墳と評しながら、肝心の調査資料を公表せずのまま放置して見学も出来ない現場状態のままにしている理由を知りたい。

2013/3/22撮影

↓中里橫穴群入口

TOPへ	間近なイベント	清掃プロジェクト	竹林整備	小沢川下流	里山の生物	ボランティア
三島風穴	三島・富士山	三島の滝	三島七石	三島八小路	搗屋のみち	昔の鎧坂
カワセミ	間眠神社	浅間・芝岡神社	源頼朝マップ	函南マップ	ハザードマップ	駐車場マップ
編集室	資料館だより	検索順位	外部リンク	わきみず	壱町田の神	愛染院跡
「知っ得」情報	神津島と海の道		縄文時代の舟を考える		三嶋大社・神池の水源
巨樹・名木	万巻上人が愛した函南桑原		巨樹のある神社・仏閣		菰池公園と鴨の親子