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全国に約3000社を数える熊野神社の一つが函南桑原に村民により勧請され祀られている。
自然崇拝を基盤に置く熊野三所権現の修験道先達の活動により熊野神社は伊豆一帯に広く分布しているが、桑名の熊野神社の祭神は「水の神」とされ、農耕にとって生命線とされる水の安定供給を願っての色彩が濃い。
また同社の境内には賽の神(左の写真)も祀られており、桑原の熊野神社は「水の神」でもあり、「疫病退散・家内安全・子孫繁栄」を祈念する村民全体の守り神的存在であった。
拝殿は大きければ位が高くご利益があるというものでは無い。言わば村力に見合った規模で、きちんと整備継承されて行けることが第一義である。勧請されれば熊野神社本社と同等の神域となる。
同社境内には大きな銀杏の木もあり、境内も一通り整備されている。賽の神にもしめ縄が副えられており村民の信仰心の深さが読み取れる。
かんなみ仏の里美術館が目と鼻の先に落成されたが来館の折りには、立ち寄って参拝することをお奨めしたい。昭和天皇御製の「浦安の舞」も奉納される神社でもあり、心安らげる巫の空間なのである。 |
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